【解答解説】2021年共通テストのフランス語を仏検1級取得者が解説します。

今年から新しく始まった共通テスト(旧センター試験)、その外国語科目であるフランス語の解答と解説を行います。

解説を担当するのは、当サイト”フラゴト-フランス語の総合学習サイト”を運営する合同会社ゴトヤ代表の後藤です。上智大学外国語学部フランス語学科卒、仏検1級優秀者の後藤が本日行われたフランス語についてコメントと共に解答・解説を進めます。

共通テストの問題は新聞社や予備校のサイトからご確認ください。

共通テスト2021 - 47NEWS(よんななニュース)
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なお、下記の見出しに書かれている難易度は正式なものではなく、この記事を執筆している私の肌感覚によるものです。現役時に過去問十数年分は解いており、大学受験後も毎年センター試験問題は自身で解くようにしていたので、この感覚が実態と大きく乖離していることはないとは思いますが、あくまで個人による評価ですので、その点はご留意ください。

第1問:発音問題(配点10点) 難易度:易しい

問題番号答え
13
23
34
41
52

第1問はこれまでのセンター試験と同様の発音問題でした。

英語は出題形式が大幅に変更され、発音問題が無くなったと大きな話題になっていますがフランス語に関しては例年通りでした。

問1:faireの現在分詞faisantの発音

問2:maximumのum(他にもalbum,muséumなどは同じ発音)

問3:sudはdを読みます

問4:amerのrは発音します

問5:Ses parent étaientはリエゾンなし、ils étaientのような主語人称代名詞であればリエゾンします。

第2問:綴り字一致(配点20点) 難易度:並

問題番号答え
62
73
82
92
101

第2問も例年通りの出題形式です。

問1:動詞sourireの過去分詞はsouriです。

問2:形容詞précisを副詞化するとprécisémentになります。音で覚えていればprécisementとミスすることは避けられたのではないでしょうか。

問3:動詞habituerに対応する名詞はhabitudeです。

問4:admissibleが正解。admissableと間違えて覚えないように注意。

問5:cheveux blonds→Elle est blonde.に対して解答はcheveux roux→Elle est rousse.となります。形容詞rougeは「赤髪の」を意味しません。

難易度自体は高くありませんが、焦っていると凡ミスをしてしまいそうな問題が並んでいますね。フランス語会話授業などを受講している人は単語が分からなくても、フレーズ単位で音として記憶している場合があるので頭の中で読み上げてみることをおすすめします。

第3問:文法(配点21点) 難易度:並

問題番号答え
114
121
133
141
154
164
171

フランス語の文法力を試される7題。1問あたりの配点は3点と小さいので1ミスくらいで凌ぎたいところです。

問1:répondre à 人

問2:Farid est un ami. と Je joue souvent au tennis avec Farid.を一文にするとavec quiが適当です。この文に含まれるsouventのような本旨に関係のない副詞は消してしまった方が文の構造がわかりやすくなります。

問3:souhaiter que +接続法の定番形です。

問4:「人の〇〇を〜する」系動詞として〇〇に当てはまる体の部位は定冠詞とセットです。

問5:repartir+不定詞で「〜しに再び行く」という意味があります。partir+不定詞で同じ用法があるのでpartirとrepartirの類似性を考えると不定詞が続くのかなと類推できます。

問6:動詞+bien mieux que〜の形で「〜よりもずっと良く」という副詞句です。bienがなくても成立しますがbienが加わることで程度が強調されます。bien mieux qu’avantはそのままセットで使うことが多いのでこの機会に覚えておきましょう。

問7:Lequel/Laquelle de+複数名詞主語から始まる構文です。後に続く動詞の活用remporteraが三人称単数形になっている点に着目すると候補を絞れたかと思います。

毎年文法分野で狙われる領域は決まっています。

出題頻度の高い接続法や条件法、関係代名詞は一度しっかりと理解してしまえばこのレベルの問題は即答できます。語彙力増強だけを意識して基礎文法がガタガタになっている受験生は多く見かけるのでこれを機にもう一周、腑に落ちるまで文法書を読み込むことをおすすめします。

第4問:語彙(配点18点) 難易度:並

問題番号答え
183
191
202
213
221
234

問1:se porter bien/mal「体調がいい/悪い」は会話表現として授業等で習った人も多いはずです。

問2:être en cours「進行中である」

問3:ここで使われている動詞devoirはdevoir A à Bで「AをBに借りている、Bに対してAの借りがある」を意味します。英語の動詞oweに近い意味ですね。ちなみに、動詞louerは「貸し借り」両方を意味できますが、動詞prêterは「借りる」側しか表せないのでこの選択肢としては間違いになります。

問4:文後半の動詞活用がj’aurais refusé(条件法過去)になっているので、à votre place「あなたの立場なら」が適当。

問5:ennuyéは「悩まされる」側、ennuyeux/seは「悩ませる」側です。形容詞intéressantとintéresséの違いと同様。

問6:sinonが適当。日本語訳「そうしないと、さもなくば」とsinonはニュアンスだけでなく音もなんとなく似ています。

問3のdoisをprêteと書いてしまった人が多いような印象を受けます。ただ、それ以外の問題はすべて基礎的な表現であり、教科書・参考書で一度は目にしているはずなので1ミス程度に抑えたい範囲でした。

第5問:会話文補充問題(配点25点) 難易度:易しい

問題番号答え
243
252
263
271
283

問1:「プレゼンはどうだった?」、「初めてのことだったしね、それが普通だよ」とAは話しているのでBを励ましている・慰めているような印象を受けます。この2文からおそらくBは初めてのプレゼンでマイナス寄りの感情を抱いたのでしょう。これに合致するのは③「想像していたより簡単じゃなかったよ」です。Ça a été moins facile…ではなく、Ça a été plus difficile…と書かれていればもっと正答率は上がったでしょう。

問2:車で移動中のシーン、Bが運転手で車を飛ばしているようです。それに対してAは「そんなに速度を出さないで」、「大したことないよ、着いたら謝ろう」と言っているのでBが車を飛ばしている理由に当てはまる②が正解です。

問3:Jean-Françoisを大学でしばらく見ていないAとBの会話です。彼はなぜ大学にいないのか、Aの最後のセリフで「それはよかった、彼は病気なのかと思ってたよ」とあるのでJean-Françoisは病気ではありません。合致するのは③です。

問4:郵便局に長い行列ができているシーンの会話です。Aは「それじゃあ選択肢はないね、私たちの番まで待ちましょう」とあるので諦めを感じます。attendons notre tourとあるので、窓口に並ぶのは決まりだそうです。BのどんなセリフによってAは列に並ぶことにしたのか、それは①「空いている窓口が一つしかない」からでした。

問5:夜レストランに行かない?と誘うAに対して乗り気じゃないB。でもAの一言でBは「君の言う通りだ。19時に迎えに来てよ」と外食する気になったようです。Bの気持ちを変えたAの一言として適当なのは③Mais ça te changera les idées !です。çaは「夜レストランに行くこと」で、それが気晴らしになると言っています。

会話文補充問題は1問あたりの配点が5点と高いので一問も落としたくないですね。会話のシーンが想像できるかどうかが鍵なので、この第5問が苦手な人は頻出会話シーン・パターンを学べるような参考書を買って頻出パターンを頭にいれてしまった方がいいかもしれません。

第6問:語順並び替え問題(配点25点) 難易度:普通

問題番号答え
291
306
314
324
331

定番の語順並び替え問題です。

問1:l’idée m’est venue de lui offrir…日本語訳を直訳しようとすると解けないかもしれません。フランス語は日本語に比べて主語に人以外が置かれることが多いのでこの構造には早めに慣れましょう。

問2:avoir peur que 接続法

問3:la raison pour laquelleはこのひとかたまりで覚えておきましょう。英語でいうthe reason why〜です。

問4:si〜queやtellement〜queは定番の形です。

問5:Les conseils de son père ont fait de Louis un excellent joueur de foot.はfaire de 人〜「人を〜にする」を知っていないと違和感を覚える語順ではないでしょうか。第6問ではこの問題だけ少し難易度が高いような印象を受けます。ただし、⑥unの場所を考えるとある程度当てずっぽうでも正解にはなるはずです。

定番のいいわましや構文を知っているとサクサク解けるのが第6問です。

普段からどれだけ色々な表現に触れているか、そしてその表現を音や文字列として頭の中にストックできているかが大事です。

第7問:短文・資料読み取り(配点38点) 難易度:易しい

問題番号答え
344
353
36,371,5
383
394
401
412

第7問はAとBの2部構成に分かれています。Aは2人の手紙のやり取り、Bはコンテストの募集要項を読み取る定番の問題でした。

A:手紙の内容はシンプルです。過去問を進めていくと出題されそうな重要部分がどこか分かってくるので問題演習が絶対です。

B:誰を対象にしているどんなコンテストなのかを把握しましょう。今回は日本に6ヶ月以上滞在したことのない大学生が対象の日本語ビデオ制作コンテストのようです。

配点こそ高いものの問題自体は易しいので、日付、場所、対象者など重要部分に線を引きながら読み進めるようにしましょう。

第8問:長文読解(配点43点) 難易度:普通

問題番号答え
423
433
444
452
461
471
48,492,6
502

今年のテーマはパリとミツバチについての文章でした。3行目にle miel「はちみつ」という単語が登場した時にこの単語が分かってどんな文章の展開か想像しながら読めればいいのですが、mielが分からなかった場合は注釈にあるruche「ミツバチの巣箱」がお助けアイテムになりました。

フランス語に限らず注釈は上手く使えば有利に文章読解を進められるので、最初に必ず目を通しましょう。

各設問自体の難易度は決して高くはなく、落ち着いて解けば満点も狙える第8問でした。

全体についてのコメント

以上、2021年度の共通テストフランス語の解説をしてきました。

センター試験から共通テストへの移行に関して、英語は出題形式が大幅に変わり、色々な意見がこれから交わされると思われますが、フランス語に関してはほとんど例年通り、しっかり基礎を抑えておけばそれなりの点数を獲得できる良い難易度設定であったと思われます。

満点獲得者を出さないための難題も見当たらなかったので、数人は200点獲得者が出るのではないでしょうか。

今回の英語出題形式変更に伴い、出題形式が変わらず・難易度も英語に比べると低い・平均点が高いフランス語を受験科目として使おうとする受験生が来年以降多少増えるかもしれません。

ただし、フランス語の平均点が高かったり難易度が低い(と言われる)のはあくまでフランス語受験者層の平均レベルが高いから(私立一貫校がメイン受験層)であり、今から一年でフランス語に変更するのはなかなか勇気ある行為だと思います。

ただし、フランス語の平均点が高く、正しい方向で勉強していけば高得点が取りやすいのも確かなので、どうしても新形式の英語と相性が悪そうだと判断した方は、フランス語受験を検討し始めてもよいかもしれません。ただし、一人で独学は正直かなりキツイです。

新形式の英語で安定した成績が取れるのであればわざわざ第二外国語に手を出す必要はありません。大学に入ってから学びましょう。

それでもフランス語受験に惹かれているあなたへ

宣伝になってしまい恐縮ですが、私がさいたま市大宮で開いているようなフランス語専門塾のようにフランス語受験・仏検を経験している人から勉強法やコツを教わりながらの受験が前提となるでしょう。

もし来年度フランス語での大学受験を検討している方がいらっしゃる場合は、私が経営している自習室・フランス語塾にお越しいただければアドバイス・情報交換等できますので、お気軽にどうぞ。

あなたの状況次第でフランス語受験をおすすめするかもしれないし、無謀そうに見えたときは反対するかもしれません。最終判断は受験生であるあなた自身ですのであくまで参考程度にお聞きください。ただし、もしフランス語受験をされると決意された場合にはできる限りサポートさせていただきます。


最後は宣伝調になってしまいましたが、2021年の共通テストフランス語についての解説は以上です。ご覧いただきありがとうございました。

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